空嘘とAurora

基本的に趣味と現実逃避。時々小説。

タグ:魔王

「結構しぶといね」 驟雨の只中にありながら、彼女は優雅な微笑みを崩さなかった。 2時間ドラマのクライマックスにすら出て来なさそうな、暗く黒く切り立った岸壁。私と彼女は草木さえ定着しないその岩肌の上で対峙していた。 パニエの詰まった、レースとリボンであしら ...

「魔王が来たぞ!」 突然響いた誰かの声に、大通りに居合わせた人々は騒然とする。立ち込める重苦しい雲、遠くでは雷鳴を知らせる呻り。やがて頬を叩く雨粒の中、誰もが自らを守ろうと逃げ惑っていた。 私はその人の波に逆らうように坂道を登る。いつしか本降りになった驟 ...

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