空嘘とAurora

基本的に趣味と現実逃避。時々小説。

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 目を開けたことで、悠花は自分が今まで眠っていたのだと気付いた。 部屋を見渡すつもりで身体を起こした。先刻まで朝焼けに霞んでいた空も今はすっかり灰色で、大分時間が過ぎていることを知る。 それから、自分がソファに横になっていたこと、身体に見慣れた毛布とジャ ...

夜汽車は静かにつめたい風を切りさいてゆく。細くて透明な指が、真新の手帳の頁をなぞっている。その先に、ぢっと、焦がれるような視線を送った。「どちらまで行かれますか。」私の聲はもう彼には届かない。玻璃に区切られた言葉等、表面につややかに弾かれ、ぽとり地面へ落 ...

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