July 17, 2011 空嘘物語集 レプリケート・ライフ 文月。夏のある日、昼下がり。 杜の都という名の都市の一角、7階建の複合住宅に彼女の部屋はあった。 地上から少し離れた彼女の部屋は、幾分か涼しげだった。窓を開けておけば上手く風が吹き抜けるし、早々に吊るした風鈴が静かに夏を知らせていた。 ――にも関わら …