空嘘とAurora

基本的に趣味と現実逃避。時々小説。

カテゴリ:空嘘物書の書斎 > 目次、後書、奥付

 視界が霞んで、やけに頭が痛かった。 目眩というやつかもしれない。乗り物酔いにも似た吐き気と浮遊感。無理に身体を起こして、辺りを見渡す。セミダブルくらいのベッドの上、嵌め殺しの窓に、ボックスつきのカーテン。まるでどこかのホテルの一室だ。サイドテーブルに黒 ...

 事の発端は、ある日の夢に見た少女とおじさんの奇妙な日常。 今は使われていないであろう、病院にも学校にも似た建物の最上階に辿り着けば、傾いたスチール棚や錆びた椅子の向こうに事務用のデスク。ふいにやってきた少女を快く迎える部屋の住人。けれど少女は知っている ...

 少女の向かいのデスクで淡々とキーを叩く。 卓上に僅かに残ったスペースに開いたファイル、そのページから目的の数値を拾い上げていく。なんともアナログな作業だ。手間もかかる。けれど、デジタルを支えるのが人間であり続ける限り、避けては通れぬ重要な手順である。一 ...

 ひどく冷たいてのひらだと思った。 人のぬくもりなんてもう何年も前から知らないけれど、それでも記憶の中にある人間の体温はもっともっと高くて、じりじりと焼けるように高くて。 己の存在自体を焼き切ってしまうんじゃないかというくらいに。 水晶の鋭さにも似た、一 ...

あれは去年の夏の始まり。前作にして第一話にしてプロローグ『薊色花伝』の完結後にはじめたためにアジサイの時期から若干ズレた状態で連載開始した作品。『七変化遁走曲』  http://novelist.jp/13930.html本日やっと完結いたしましたので御報告です!お付き合いいただいた ...

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