空嘘とAurora

基本的に趣味と現実逃避。時々小説。

カテゴリ:空嘘物書の書斎 > 十色ノ言ノ葉

誰にも渡しちゃ駄目だよ、と 悪戯に立てたひとさし指の向こうであなたが言った 手のひらの上に乗せられたミントグリーンの封筒の その中身は分からなかったけれど いいかい、誰も居ない場所で、例えばきみの部屋で たった一人で見るんだよ きみだけのために用 ...

胸奥に灯されたままの炎が呼んで 花束を抱いて少女は途方に暮れる 残されたのはかなしみか 或いはいつくしみか背を向ければ現実にかえれるのにどうしても身動きができなくてさすればこらえた頬の粒を惜しむように  目映く照らすライトの列 華やかな衣装のままに ...

風が木漏れ日を揺らし ふと指を止める まるで夢から醒めたよう 見上げた枝の間 その煌めきが何かに似ていて 青草を踏み締め 深く息をすう 瞼に焼き付く輪郭 耳奥に響く声音 射るような眼差し 喉を痺れさせる 爽やかで甘い香り 二度と忘れてしまわぬように ...

はじまりは波の合間にあった いつからか記憶とともに揺蕩って 何の蟠りなく自分という生き物を意識していた 潮騒の中に息をして 珊瑚の下に家があった うち棄てられた船を遊び場に 薄暗い 泡沫のぼるさらに奥 歌姫が地上に焦がれるのさえ奇妙に思いながら 陽の眩 ...

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