まとまるたびに一度終わらせて、また次の記事に引き継ぎます。
引き続き断りをいれておきますが、全て現時点で提示されているものを自分なりに飲み込んで消化しようとしている推察。

『アヴェンジャー”アントニオ・サリエリ”は誰なのか』

更に掘り下げていきたいのはとりあえず2点。


『無辜の怪物の”正体”』
と、
『彼は何故復讐者=アヴェンジャーになったのか?』

ここからは更に第2部1章(アナスタシア)のネタバレが含まれますので、絶対に知りたくない人は読まないでくださいね。クリアまでとっておいてね。




さて、一つ前で私が辿り着いた結論――というよりも、本編では明言されていないのであくまで推察、考察の域に収まるしかないけれど、
やっぱりどうしてもあの人はスキル『無辜の怪物(ないし自己否定)』を発動させているサリエリ本人としか考えられないのです。

そもそものFateでの英霊という仕組みがイコール生前の本人そのものとは言えないので、そういう意味でも(他のサーヴァントと併せて)本人と定めていいのでは。
無辜の怪物ないし灰色の男が本体ではなく、サリエリがそれらを纏っている状態なののではなかろうか、と。

『無辜の怪物』と『慟哭外装』は別スキルなので、戦闘スーツが慟哭外装として、あの”灰色”の髪や”燎原の火”を映した赤い目は無辜の怪物由来なのかも。そうするとアスコットチーフの下に傷がある可能性がなきにしもあらず?(ただし個人的にはじっくり考えた結果ないほうが安心する)

外見についてもう少し掘り下げておくと、皇帝から賜った勲章(メダル)と、立場上よく使ったであろうシグネットリングを着けてるあたり、やっぱりどうしたって本人なんじゃないかな。それともあれも大衆が思い描くサリエリ像なんだろうか。

あとは、「我が指揮に踊れ死神」っていう台詞も気になるところ。
「我は死」なのでそれに従う「死神」は別に在るという考えだとして、そういえばあの現出する従者たち灰色だし、もしかしてあの部分が『灰色の男』要素のひとつなのかも。
すると、習合したといいつつしっかり指揮下に置いてるんだな、やっぱり完全に呑み込まれている訳ではなさそう。
ただし、最終再臨ではもう言い逃れできずに宙に浮いてるんですよね…定期的に慟哭するのも痛ましくて見ていられない…モーションも鋭くなってるし、どんどん「闇の淵」に近付いている感じがする…

ついでなので慟哭礼装の姿についても触れておきたいんですけど、あのバトルスーツの外見はどのタイミングであれに定まったんだろうか。本編中でカッコイイって褒めたときはまんざらでもない(むしろご満悦)だったので、自分の趣味ないし何か元にしたものがあるのかもしれない。

ぱっと見で思い浮かぶのはやっぱりギミックがアマデウスと似ているなあってこと。色味は違うけれど仮面とか胴回りとか、指先のとがっている感じとか。
ミゼリコルデを持っているのはミゼリコディア・ディ・ミから派生しているのか、騎士との関わりがあるのか(称号って貰ってたんだっけ…読み返したいけど資料が手元にない)。
あの短剣が炎を纏うと燭台の形に見えるところと、本人がふわふわ浮いて片翼に見えるのは、なんとなく『史実によれば生前は敬虔な信者だった』のに基づいているような印象を受けます。

あと、これは本当に個人的超身勝手な解釈なんですけど、天使にサリエルっているじゃないですか。
最初にサリエリさんの名前見た時、語感が似てるなーって思ったんですよね。
制作側がそれを意識しているかはともかくとして、サリエリが堕天した御使いの姿をイメージしたのは有り得ない話でもないかもしれない。
ちなみにサリエルって、死を司る天使なんですよね。偶然だとしてもそわそわしてしまいます。


外見と自己否定以外にも、私が彼はサリエリ本人では?と考察し続ける原因がもうひとつ。
無辜の怪物を受けてゴットリープを殺すものとして英霊になったのはよしとして、
何故アヴェンジャークラスでサーヴァントになっているのか?ということ。

乱暴な話、アマデウス絶対殺すマンになるだけならアサシンでもバーサーカーでもいいはず。なのにどうしてわざわざ復讐者?そもそも彼は誰に対する復讐者なのか?

復讐対象、つまり殺すべき相手はアマデウスなのではって?
いやいや、だってアナスタシアでの彼の独白には、「アマデウスを殺すもの」とはあっても「恨んでいるから殺す」とは言っていないんですよ。まあ確かに、あの姿になった一因(暗殺説)ではあるのでしょうけど。

そもそも私の解釈するアヴェンジャーっていうのは、巌窟王しかりジャンヌダルクしかり、『自分をこの姿に堕とした相手』への復讐心を抱く者なんだと思うんです。
じゃあ、サリエリをあの姿にしたのは?
だいたい、戦闘時に敵がアマデウスなわけでもないのにコロスコロスって言いすぎじゃない?獣国では暗示って言ってたけど、召喚された後もいちいち暗示をかけて戦闘に出ている、って感じでもなさそうだし。

彼は、大衆の悪意、好奇心、醜聞、そういうものから生まれた無辜の怪物。
そしてアナスタシアでの独白によれば、
「世界は、人の営みはおまえ=アマデウスを救わなかった」。
サリエリが恨んでいるとしたら。生前も英霊となった今でも、どいつもこいつも馬鹿ばかりだと憤慨したのは、自分を犯人に仕立て上げたのは『大衆』。
彼の復讐対象はそのもの。果てはアマデウスを理解せず、救わなかった世界そのものなのでは。

思い返せばあの凍土でも彼はずっとアマデウス(が抱えているはず)の憤怒を語っていなかったか。
彼の怒りは自らの内に沸く怒りではなく、アマデウスの怒りを受けて自分の怒りとしていなかったか。

初登場時の彼の肩書はアマデウス・オルタ。
アマデウスになれ、という呪いをかけられたはずなのに、勝手にオルタと名乗っている。
実の所あれは本当の意味でアマデウス「オルタ」だなんじゃないかと言えるのだけれど、それについてはまた後で。

ちなみに、某書籍を読んだ上の感想としては、史実の彼の在り方は多大にルーラー寄りだと思うので、そういう意味での反転としてのアヴェンジャーっていうのも面白いかなと思ったりもします。

次にまとめるとしたら、史実の彼と設定上の彼について、少し考えていきたいところですね。
ということでもう少し続きますよ。