財布の角に留めた小さな鈴
手にとればちりちりと どこにもない音を奏でる

本当は口にだしてしまいたいけど
そうするとあなたがくすぐったそうに笑うから

大丈夫、きみが可愛らしいからだよ なんて
その鼻の赤さによけいに顔を背ける

まだ陽のみじかい 灰色の空のした
お揃いの印の御神籤をそれぞれ握って

ほんとうはこうして会ってくれること
何よりも感謝しなきゃいけないのに

全部お見通しなのも分かってるけど
けれど、
冷たい指先をのばすこともできないまま
ゆっくり歩く

横顔をそっと見上げてみる まだ夢見心地に
白い息をはけば なに、と唇の端を上げるから

心の真ん中に残したまま
それをいだいて

ふと顔を上げれば
やっぱり笑いながら 手のひらをこちらに向けて

あなたがくれたお守りが
ちりんちりん、とやわらかな音をたてる